1~2歳児の幼児期の食事。「毎食どのぐらいの量を目安に食べさせたらよいの?」と悩んでいる方も多いと思います。
そこで、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「授乳・離乳の支援ガイド」を参考に管理栄養士の視点から、下記について一覧表などを使用し、詳しくご紹介します。
- 栄養バランスの良い食事とは
- 1〜2歳児の食事量の目安
- ご飯以外の炭水化物食材(うどん、パスタ、パン)の目安量
- 具体的な食材でのたんぱく質の目安量
1〜2歳児の食事量の目安【幼児食】
1歳、2歳の幼児食の「1日のエネルギー量」「各食材の1食あたりの目安量」を解説します。
1日のエネルギー量
1〜2歳児の1日の推定エネルギー必要量をみてみましょう。
1〜2歳児 | 男の子 | 女の子 |
推定エネルギー必要量 | 950kcal | 900kcal |
【参照】日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省
ちなみに、活動量にもよりますが、女性の1日の推定エネルギー必要量は、下記の通りです。
- 18~29歳 1,700〜2,300kcal
- 30~49歳 1,750〜2,350kcal
したがって、1〜2歳児の食べる量の目安は、「お母さんの半分」と良く言われています。
しかし、実際のところお母さんの食事量の半分と言われても、「イメージしにくい」「難しい」と感じますよね。
記事の後半では、1食あたりの食事の目安量を具体的に解説していきます。
栄養バランスの良い食事の基本【幼児食】
食事の基本は、大きく分けて「ご飯やパン、うどんなどの主食」「肉や魚などメインのおかずとなる主菜」「野菜中心のおかずの副菜」を揃えてあげること食事のバランスが整えやすくなります。
主食:ご飯・パン・うどん等
主食とは、穀物(ご飯、パン、うどん、パスタ等)、イモ類などの主に炭水化物を多く含む料理です。
炭水化物は、主にエネルギー源となる栄養素で、活動的に過ごすために必要不可欠です。
主菜:肉・魚・卵・大豆製品
主菜とは、肉、魚、卵、大豆製品(豆腐、納豆等)、乳製品(ヨーグルト、チーズ、牛乳等)など主にたんぱく質を含む料理です。
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などさまざまなカラダの主成分となるだけでなく、酵素やホルモンの材料にもなる栄養素です。
たんぱく質が不足すると、免疫力が低下し、かぜなどの病気への抵抗力が弱くなってしまいます。
また子どものような成長期にたんぱく質が不足すると、成長不良になる可能性があります。
副菜:野菜・きのこ・海藻
野菜、きのこ、海藻など、主にビタミン、ミネラル、食物繊維を含む料理です。
ビタミンは、体内で行うさまざまな代謝をサポートし、カラダの機能の維持に欠かせません。
ミネラルは、カラダの構成成分になったり、機能を調節する働きがあります。
食物繊維は、腸内環境を整えるために大切な栄養素です。
副菜同様に、味噌汁やスープなどの汁物も野菜をたくさん摂ることができる料理なので、オススメです。
「主食」「主菜」「副菜」を揃える意識をすることで、栄養バランスの良い食事が準備しやすくなります。
1食あたりの目安量
1番気になるのが1食あたりの「主食」「主菜」「副菜」をどのくらい食べさせてあげたら良いのかですよね。
具体的にみていきましょう。
表の穀物が「主食」、たんぱく質が「主菜」、野菜が「副菜」に該当します。
穀物 | 軟飯90g〜ご飯80g |
野菜・くだもの | 40〜50g |
【たんぱく質】 | |
魚または | 15〜20g |
肉または | 15〜20g |
豆腐または | 50〜55g |
卵または全卵1/2〜2/3個 | 全卵1/2〜2/3個 |
乳製品 | 100g |
<参考:授乳・離乳の支援ガイド 2019 年3月>
表の値はあくまでも目安です。
子ども一人ひとりの成長や食欲によって違います!
子どもに合わせて、調節してください。
ご飯以外(うどん・パスタ・パン)の炭水化物の目安量
炭水化物が多くご飯だけではないですよね。
ご飯が苦手、パンやうどんのほうがよく食べるというお子さんも実際いらっしゃいます。
また、イモ類のさつまいもやじゃがいもも炭水化物を多く含む食品で、子どもも大好きですよね!
そこで、ご飯80gのエネルギーと一緒になる炭水化物の食材の目安となる量をまとめました。
ご飯80gのエネルギーは、134kcalです。
食材 | 重量 | 実用的な量 |
ご飯 | 約80g | 子供用茶碗1杯 |
ゆでうどん約120g 1/2玉 | 約120g | 1/2玉 |
ゆでパスタ | 約80g | パスタ1/3束 |
乾燥パスタやマカロニ | 約35g | パスタ1/3束 |
食パン | 約50g | 8枚切り1枚 |
ロールパン | 約40g | 1個 |
米粉 | 約35g | 大さじ4 |
小麦粉 | 約35g | 大さじ4 |
さつまいも(生) | 約100g | 約1/2本 |
じゃがいも(生) | 約170g | 約1個 |
さつまいもやじゃがいもは、ご飯の代わりに食べることは少ないですが、芋類の煮物やサラダは子どもも食べやすく好きな料理ですよね。
さつまいもやじゃがいものおかずが多い時は、他のおかずがお腹いっぱいで食べられなくなることを防ぐために、ご飯の量を少なくするなど調節するのも良いですね。
米粉や小麦粉は、野菜をたっぷり使ったお好み焼きなどに利用できたりと、お料理のバリエーションを増やしてくれるので、炭水化物補給としても便利な食材です。
また、お子さんの大好きなホットケーキも大人用のホットケーキミックスでつくると砂糖や添加物が入っている点が気になりますよね。
米粉や小麦粉で作るホットケーキは砂糖の量を調節したり、すりおろした人参など野菜を入れアレンジしたりできる点が嬉しいですね。
たんぱく質の目安量
たんぱく質も実用的な量はどのくらいなのかピンとこないですよね。
1食あたりの具体的な量をみていきましょう。
- 鶏肉のささみ 約1/2本
- 魚の切り身 約1/3〜1/4切れ
- マグロなどの刺身 約 1.5切れ
- 納豆 約1/2パック
肉や魚の20g、想像しにくいですよね。
- うずらの卵1個
- サンドイッチなどによく使用するハム
1枚が約10gです。
お肉や魚を食べる時は、うずらの卵やハムの2個分をイメージしていただければ、わかりやすいです。
まとめ
1〜2歳は発達、発育は盛んな時期で、「栄養たっぷりの食事を食べさせてあげたい」と思うのが親心ですよね!
今回、紹介した量は、あくまでも幼児食の目安です。
お子さんの成長や食欲に応じて、調節しあげてください。